恋して愛して
「今朝の…あれは謝れ。あたしはあんたのせいで、恥ずかしかった」
花恋の心情的には、たぶんなにか一つでも文句言いたかったんだと思う。
それは今まで演じてきた、『冷静な』自分のプライド。
「やだよ。まだ返事聞いてないし。
側にいろって言ってんのに、わかったくらいは言われてもいいだろ。
つーか、お前は俺が好きなんだろ?」
まぁいかにも、翔君の言いそうな言葉だなぁ。
イケメンだからこそ、いつもの翔君だからこそ言える言葉。
「うるさい!言わなくてもわかるんでしょ?それなら察して。」
遠まわしに「好き」って言うところも、花恋らしい。
「じゃ今朝のはチャラな」
「はい?ほんとむかつく。学校にいるあんたの親衛隊と仲良くしたら?」
「あー。あの子達とは縁切った。やんわりとね?」
それは初耳だったから、私も恭介君も驚いてた。
「あいつ、いつのまに…」
隣で恭介君が呟く。