恋して愛して


そっちの方が、逆にいいんだけど。

「よろしくお願いします。」

なんとか言い切って、座った。

花恋が、自分の座ってる位置から私に向けて、親指を立ててきた。

私はそれに、うなずく。


「あ~。緊張したよ…」

「そう?ま、でも。今日はもう帰れるし…」

「中武さん、ちょっといい?」

担任の先生に呼ばれた。

「帰れないみたいだね。待ってようか?」

「ううん。平気。先に帰っていいよ!」

「了解。じゃ、また明日」

先生に何言われるんだろう。

もしかして、さっきの自己紹介のことかな。

声が小さかったのかな。暗かったのかな。

どきどきしてると、担任からは封筒が渡された。
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