恋して愛して
「あとー、前髪だな。せっかく綺麗な髪の毛なんだし。
花恋は絶対綺麗になる。他のやつなんて目でもないくらいに。」
自信満々にそう言われて、翔は帰った。
なんだよ。言うだけ言って。
でも、正直言われた通り。
あたしは物事をネガティブに考えすぎて、何もかも台無し。
「…お母さん。あたし、化粧したい」
家に帰るなり、あたしはそう言ってた。
お母さんは、嬉しそうに化粧品を渡してくる。
しかも、やり方も教えてくれた。
案外うまく出来て。
前髪も言われた通りに切ってた。
あたしは、翔の言われた通りにしてしまった。
学校に行くのが怖かった。
化粧も薄くだけどして行った。
人の目が怖い。
どうしよう。緊張してお腹が痛い…
教室に入ると、バッと皆があたしを見る。
腹くくれ!あたし!