恋して愛して

卵と…あとは…

買うものを選んでたら、声をかけられる。


「あれ!優衣?!」

目の前にたってたのは、遥。

遥は、私と恭介君を行ったり来たり。

やっと終わったと思ったら、口を開いて

「あ〜なるほどね」

ってニヤニヤしながら言ってきた。

なにを想像して言ったのか、なんとなく検討つくけど、

遥が思ってるようなのじゃないと思う。


「仲直りしたんだ〜。恭介君のこと信じてたよ」

顔立ちがいい人が、ウインクすると恥ずかしい。

「も、もういいから!ていうか仕事は?」

「俺、今日は休み」

「なんで?」

「なんでって、休みだからに決まってんだろー」

遥は、微かにだけど顎を触る。

この人がその仕草する時は嘘つく時だって。

よく小説で書いてあって、嘘だって思ってたけど、本当にわかる。

長い間一緒なら。


「子供みたいな嘘だよそれ。行こう、恭介君!」

私は遥を追い越して、先に進む。
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