恋して愛して

大事な話

【恭介 side】


突然の話。

「私が男の人が怖いのは…父が原因。」

そう話し始める。

ずった下を向いて話す優衣は、どこか怯えてた。


「父はだらしがない男の人だった。お金使いが荒くて、お酒、ギャンブル、キャバクラ。

お金がなくなる度、母からお金を取っていく。」

金をとった後の、優衣の父を容易に想像できた。

「お金がないと、母に暴力。母が弱って、次は…私。」

優衣の体は、震え始めた。

昔を思い出して、恐がってる。


「正直…本当に誰かに助けて欲しかった。
父なんて、いらない。居なくなればいいって。

そう思い続けた矢先に、交通事故に巻き込まれた父は亡くなった。

笑顔にはなれず、ただ涙はしっかり出でくる。」

涙を流して話す優衣は、触れたら倒れそうなくらい弱ってた。

「父のような人でなくても、男の人に恐怖を抱くようになったの。

恭介君みたいにいい人がいるのに、それさえも見えなかった。

母は、私を育ててくれた。その母も、私が高校に入ってすぐに…病気で居なくなった」
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