恋して愛して
恭介君の声。
私は振り向きもせず、黙ってた。
顔を見るのが怖い。
正直に言えばいいけど、怖い。
言ったらどうなるの?
「優衣、どうした?」
「あ、の…」
恭介君のいつも通りの顔を見るとほっとした。
それと同時に、さっきのことも思い出した。
咄嗟に唇を、腕を抑える。
「この痕…どうした?」
さっき掴まれた時に、少し抵抗してつねられたような赤色に腫れてる。
その痕を恭介君に発見されてしまった。
「キス、された。」
「…あいつに?」
静かに頷く。
恭介君の顔が見れなかった。
どんな顔してるか気になるけど、怖い。
下を向いてると、意識とは別に他の力が私の顔に加わる。