恋して愛して

放課後。


「恭介君帰ろ?」

「あぁ」


私たちが教室から出ると、堀先生に呼び止められる。

「あ、ちょっと君たち」

私は少し怖くて、恭介君の服をつかむ。

「なんすか?」

恭介君がさっきのこと何も言わずに、返事してるのが珍しい。

でも、何故か期待してた自分がいる。

なにか言って欲しいって思ってしまってる。

「明日の昼休み学級委員のどちらかが、集まらなきゃいけないんだ。

それを今決めてほしい。報告しないといけないから」

そういう事か。

でも、恭介君が行くとも思えないし…

やっぱ私が行くべきだよね。

「あぁ、それなら俺がやるんで」

「え?」

私は思わず声を出してしまった。

恭介君が進んでやるって言ったの、これが初めてだし。
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