恋して愛して
「どうしたの?急に私の家に…」
コーヒーを入れながら、遥に話しかける。
「ちょっと考えてることがあって。
それを実行するとなれば、もう優衣の近くにいることが出来ない。」
「え?」
私にとってあまりに非現実的で信じきれなかった。
だって、遥が私のそばからいなくなるなんてことなかったもん。
「日本で最も有名なヘアスタイリストになることが夢。
それは…優衣も知ってるよな?」
私は頷いてから、コーヒーを遥の前に差し出す。
「日本でも結構有名になってきた。テレビでも取材されるくらいだし、夢が叶う日も遠くない。
そう思ってたけど、一昨日の朝早くそれが違うことに気がついた。」
一昨日といえば、遥とスーパーであった日。
「電話だ。友人からの。そいつが海外でもう一度修行してみないかって言ってきた」
遥は1度、アメリカでヘアアレンジの勉強をしてた。
その期間は約3ヶ月。