恋して愛して
真実
寒い日がずっと続いてる。
まだまだ冬は終わりそうにない。
恭介君が、堀先生にあんな宣言したからなのか、ちょっかい出されることがなくなった。
でも、堀先生の事で気になることがひとつだけ。
弟がいるっていう話。
なぜかあの話をしてる時の堀先生は、弱くて辛そうな感じ。
それだけが気になってた。
「優衣?どうした?」
私の顔をのぞきこんで聞いてきたのは、花恋だった。
「あ、いや!なんでもないよ?」
そんなこと考えてたって仕方ない。
私には、関係ないことだし。
可哀想だなんて…自分勝手。
「嘘だ〜。なにか悩んでる?あたしに言えないなら、藤崎にでも話しちゃいな?」
「いやいや、恭介君になんて言えないよー!」
私は首をブンブン振って答える。
恭介君に、変に迷惑かけたくない。
「ふーん?じゃなんなの?」
「…堀先生のこと。あの人の弟が気になってて。」