恋して愛して


美容院の前に着く。

中に入ると、人は全然いなかった。

「すみません、今日は定休…あっ!優衣ちゃん!」

一人の女の店員さんに、抱きしめられた。

この店員さんは、牧野さん。

「あ、牧野さんっ。赤崎さんって…」

「いますいます!呼んでくるねっ」

牧野さんは、早歩きで奥の部屋に行った。

「ここの店のやつとどういう関係?」

「あのね?ここのオーナーの、赤崎遥(アカサキ ハルカ)
っていう人は、私の幼なじみなの」


私の説明のあとすぐに、牧野さんと男性店員が奥から出てきた。

もちろん、その男性店員こそが、幼なじみの遥。

「優衣〜!待ってたよ〜」

遥も私を抱きしめる。

「休みなのに、急なお願いしてごめんなさい。

今日は、恭介君の髪の毛をさっぱりしてほしくって」

遥にそう言うと、一気に恭介君に寄ってった。


「どっからどう見てもかっこいい…けど

優衣とは、どういうご関係で?」

「ちょ、ちょっと!遥、やめてよ!と、友達だから」

遥は、私が男の子を連れてくるといつもこう。

まぁ、連れてくるって言っても、昔の話。



だから、遥はお兄さんみたいな存在。

「ふっ。冗談冗談。

さっ。こっちこっち」

恭介君は、遥に連れて行かれる。

私からは見えないところに行った。
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