恋して愛して



歩いていた恭介君の足が急に止まった。

「え?どうしたの、恭介…君?」

私が問いかけてる間に、抱きしめられる。

え、え?なになに?

「妬いたって言ったら笑う?」

耳元でそう言われてドキドキする。

いやそんなことより、妬いたって…?


「もーさ。なんで優衣は気づかねーの?俺が勝手に嫉妬してんのに。

ごめんとか、謝らなくていいんだっつーの」


恭介君は、私を強く抱きしめる。

まるで、ごめんって言われてる感じがした。


恭介君から解放される。

「土曜日な。」

それだけ言ってまだ歩き出した。

「行ってくれるの?ありがとうっ」

よかった。恭介君が行ってくれるなら安心できる。

あ、そういえば…


「恭介君も…やきもち妬くんだ〜」

やきもち妬いてくれることが、こんなに嬉しい。

だから変にニコニコしちゃう。
< 255 / 304 >

この作品をシェア

pagetop