恋して愛して
「あぁ。そうだそうだ。じゃー、話そうか」
先生は自分の入れたコーヒーを一口飲んで話し始める。
「俺の弟…ていうか、血は繋がってない。父親が違うから。」
その時点で私たちは驚いてた。
血が繋がってない…んだ。
「俺がまだ赤ん坊の時。赤ん坊って言っても2歳の時に、施設に預けられた。
実際何もわからず、歳をとってた。
物心つくのなんて、だいたい小学生なった時だろ?
その時気づいたんだよ。親が俺を捨てたんだって。」
二歳からずっと1人で?
「お父さんは…?」
花恋が合間に質問する。
「いない。多分一緒に行ったんだろうな」
「そう、なの。」
花恋はすこし引き気味にそう言う。
「弟がいるって知ったのは、俺が中二の時。
もともと施設の人から、母がいることや、居場所を教えて貰ってた。
中二の時会いに行くことを決めて、会いに行った。
そしたら、母はいなくて、隣人に聞いたら入院してるって言われた。病院の居場所も教えてくれた。」