恋して愛して
もしかして、自分と重ねてる?
でも、堀先生の話。
恭介君の昔と似てる。似すぎてる。
「なんで知ってるんだ?確かに残していった。渡されたのは俺が小学生の時に施設の人からだけど。花の名前は…」
先生が花の名前をいう瞬間に恭介君も口を開く。
「「カモミール」」
声が重なって、一つに聞こえる。
それは確かにカモミールと言っていて、よく聞けば声は違う人。
「どうして…藤崎が?」
「どういうことだよ」
花恋も翔君も困惑してる。
もちろん、私も。
「悪い。俺ちょっと帰るわ」
恭介君が立って、家から出て行った。
「あ、恭介君!」
「まぁ落ち着け」
私が追いかけようとするのを、堀先生に止められる。
「でも、恭介君が…!」
「一人にさせてやれ。ていうか今は俺の話を聞け」