恋して愛して
「俺は…金田由美子から生まれた。
あんたとは血が繋がってない兄弟だって事だ。」
ハッキリとした口調で言う。
「そう…か。俺の、弟か。」
先生はホッとしてるようで、戸惑っているようで。
「俺の弟ってことについて、どう思う?」
続けて先生が口を開く。
「まぁ。正直今は受け入れるのが難しいけど。家族がいてよかったって思う。
だから…年が流れれば受け入れられると思う」
「そうか。俺も同じ気持ちだ。」
家族って…すごい良い。
素直に気持ち伝え合って、笑い合って。
この場に私いたら…すごい邪魔な気がしてきた。
いまさら気づいて、私のバカ。
「あ、私そろそろ帰らないと。じゃ、恭介君はゆっくりでいいと思うから〜」
早く立ち去りたい。
もったいない。2人の時間が、私がいることでもったいなくなってる。
「あ、優衣ちゃん待って!」
堀先生に腕を掴まれて呼び止められる。