恋して愛して
「き、恭介!?」
その声で我に返る。
声がした方向に振り向くも人混みで誰に呼ばれたのかわからない。
「君、次からこんなことないように。次は、公務執行妨害で逮捕だ。」
俺はその警察に見逃してもらえた。
とりあえず人混みから出てみると、そこには翔と篠山がいた。
「なにしてんの、こんなとこで。しかも警察とやり合って」
相変わらず、馬鹿な声に苛立つ暇もない。
「…優衣が。」
「優衣が…どうしたの?」
「多分、事件に巻き込まれて搬送された。」
俺のその言葉に、二人共戸惑ってる。
「嘘…でしょ?」
篠山は信じられない様子だった。
俺だって、信じたくない。
「とりあえず…タクシーでそのへんの病院当たってみよう」
翔がそういった瞬間、俺の携帯が着信を知らせる。
非通知…
「はい。」