恋して愛して
楽しいっていうか…もっと良さを伝えたい。
「優衣は、その子が好きなんだね。」
「うん!大好き」
思わず大好き、だなんて言ったけど、こんなの恭介君に聞かれてたらって思ったら、急に恥ずかしい。
でも、聞こえるはずもないよね。
私、現実の世界ではただ眠ってるんだもん。
「よかった。優衣の幸せそうな顔が見れて」
お母さんは幸せそうに微笑む。
なんか…今でもお母さんがいたらって思う。
家族がいたらって、知らない間に思ってた。
私は、今も幸せ。
だけど、家族がいたらもっと幸せだろうか。
そんな風に感じる。
「お母さん…ごめんね。守って挙げられなくて。辛かったよね…?」
正直、負い目に感じてた。
私はまだ中学生で、バイトもできないから、お父さんと離れても、
働くのはお母さん一人。
朝は配達の仕事、昼はスーパーでパート、夜は飲み屋で仕事。
そんなお母さんを私は何一つ支えて挙げられなかった。
やっと高校に上がって、やっと助けてあげられるって思ったら…いなくなった。