恋して愛して
とりあえず笑っとく。
遥は私を見るなり、ニコニコしてた。
「よし。じゃ俺らは出るか。
邪魔するなんて、俺にはできね〜」
遥はそう言うなり、病室から出ていく。
それに続けて、花恋たちも出ていった。
今まで、私の名前以外の言葉を発さなかった恭介君とふたりきり。
口の筋肉も、なんとか喋れる程度になってきた。
「恭介君…」
今も、私の手握ってる恭介君の手を握り返す。
「もう声聞けないかと思った。顔みてもらえないと思った。」
なんか…声震えてる?
涙声っていうか…泣いてないよね?
「私も。…ごめんね」
会えたことが嬉しい。
でも、ちゃんと戻ってこれた。
ふと、顔を横に向けるとプレゼントがちゃんとあった。
あ、渡さなくちゃ。