恋して愛して
蒸し暑い、6月頃。
体育祭の練習後に、教室で涼んでると急に篠山と翔から言われる。
「「暑苦しい!」」
その一言で、俺は髪を切ることになった。
それも、優衣の幼なじみの店で。
「相当長いね。」
そう言って切り始める遥さん。
と思いきや、髪の毛を染め始めた。
「君は、分かんないくらいの茶色が似合うと思うよ」
「は、はあ…」
途中途中、遥さんが
「優衣はまだ来ちゃダメ!」
と優衣に言ってるのが気になった。
あとは流れに任せるようにぼーっとしてた。
気づいたら、切り終わってた。
「ほら。優衣に見せてきなよ」
「きゅ、急な変化だし…あいつ馬鹿正直だからなんて言ってくるか…」
「いいからっ。さっさと行けって!」
俺は、遥さんに押されて、優衣の前に出た。
優衣は、しばらく黙ってから
「かっこいい…ね」