恋して愛して
余裕の一位でゴール。
そのあとの、優衣の馬鹿な行動。
何にもないところでこける。
しかもわりと、重傷。
立てそうもなかったし、さっさと保健室に連れて行ってやりたくて…
抱きかかえてた。
保健室には誰もいなくて、とりあえず手当をした。
「そう言えば恭介君。私のこと優衣って呼んでくれた?」
そんなことを聞いてきた優衣。
そう言えば、優衣と話してるときに、名前は呼んだことないかもな。
「呼んだけど?」
優衣の名前を呼ぶのが珍しいというので、わざわざ名前を呼んでやる。
「…優衣?」
その瞬間、優衣が照れたような顔をする。
思わず笑ってしまった。
こんな俺でも、女に優しくすることができるんだな。
それに気づかせてくれたのは、こいつなのかもな。