恋して愛して

「そろそろ帰るー?」

翔君は砂にお尻をついてそういう。

「んー。もう5時だしね。」

花恋も携帯画面を見て、頷く。

だけど、私はもう一つしたいことがあった。

だけど、そんな願いをここで言えるはずもないし。

大人しく、帰ろう。

「花火、やるか?」

恭介君の口からそんな言葉が出た。

私にとっては意外であり、偶然でもあった。

私のやりたかったことは、花火だから。

「いいじゃん!やろうぜ」

翔君は一番に賛成してくれる。

「買ってこなきゃ。これは、ジャンケンだわ」

花恋は拳を前に突き出す。

「や、俺が言ったことだし、買ってくるくらいはやるけど。」

「あ、じゃあ。よろしく」

唖然としながら、翔君はそう言った。

恭介君は、Tシャツを着て歩いて行った。

「優衣も行ってきなっ。」

「え?でも…」

「いいからっ!」
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