恋して愛して



「雨…降ってるけど?」

その言葉とともに、雨がかからなくなった。

昨日の…藤崎さん。

藤崎さんは、ビニール傘を持って私の前に立っていた。

「手紙を…」

藤崎さんは、参ったという顔をした。

それから私をじっと見て、なにか考えてるみたいだった。


「とりあえず入れ」

「えっ?」

藤崎さんは私を、家に入れてくれた。

すごい怖かった。何されるか分からないし。

家が暗かったし。

「とりあえず、これに着替えろよ。」

「え!?で、でも」

「そんな濡れてる服で帰ったら、風邪引くぞ」

「あ…」

そういうことか。

私、何勘違いしてるんだろう。

私は、藤崎さんのと思われる黒いTシャツに着替えた。
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