恋して愛して

花恋に背中を押されて、とりあえず行くことにした。

というか、行きたかったのは…事実かもしれない。

「恭介君!待ってー!私も行くっ」

恭介君はちょっとだけ歩くのを遅くしてくれた。

「恭介君も、花火やりたかったんだね」

「まぁ。」

「私、花火って好きなんだぁ。キラキラしてるし、色が綺麗。

手で持つのも楽しいけど、空に大きく打ち上げられた花火も大好き。」


恭介君は黙って私を見る。

「あ!ご、ごめん!私の話なんか別に興味無いよねっ。あはは」

急に恥ずかしくなって、下を向く。

「んじゃ、でけー花火見に行くか?」

「え?」

突然のことに驚きが声に出る。

顔も挙げて、恭介君をまじまじと見る。

「大好きなんだろ?空に上がる花火。」

ちゃんと話聞いててくれたんだ。

興味無いわけじゃないって、受け取っていいんだよね?

「み、見に行くって…その…」

「今月、駅近くで開かれる祭の最後に花火があがるやつ。」

みんなで見に行くの?それとも…


気づけば、コンビニに着いてた。
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