恋して愛して
「これでいいな。」
恭介君は、花火のセットをレジに持って行く。
どうしよう。返事しないままじゃ、さすがによくない。
私が迷ってる間に、恭介君は花火を買い終わってしまった。
「で?見に行きてーの?」
そっか。見に行きたい。ただそれだけでいいじゃない。
「行きたいっ」
「わかった」
それだけ言って、恭介君はまた歩き出した。
「おーい!こっちこっち!」
海に戻ると、翔君が大きな声で呼んでくれた。
「藤崎わりと、センスいいのね」
花恋は花火の種類を見てそう言う。
みんなで花火をやってる間も、恭介君とお祭りに行くことを考えてた。
ドキドキして、花火を持つ手が少しだけ震えた。
いまは何も考えずに、楽しめばいいよね。