恋して愛して
私がそんなことになってるとも知らず、焼きそばを食べ続ける恭介君。
「よし。」
そう言って、また私の手を握ってどこかに歩き出す。
「恭介君?どこへ?」
「特等席」
それだけ言うと、私の手を引いて歩く。
お祭りがやってた所からは結構離れてる。
結構暗いし、ちょっと怖い。
「脚、大丈夫か?」
「あ、うん!平気」
強がってるだけで、やっぱりちょっと痛い。
靴擦れとかじゃないけど、下駄って硬いから足が痛い。
「嘘つくの下手すぎ」
そう言って私を抱っこしてくれた。
「ちょ、ちょっと。恭介君っ」
「この階段上がってすぐの所だから」
階段を登ると、ちょっとした広場みたいになってて、
そこからの眺めが綺麗だった。
ちょっと夕日が見えて、だけどもう空は紫になってて。