恋して愛して


スカートはあまり濡れて無くて良かった。

でも、この服、私には大きすぎる。


部屋を見渡すと、私の背丈くらいのタンスの上に、

白と真ん中が黄色い花の押し花が沢山あった。

見かけによらず…かわいい。


「ココア飲めるか?」

カップを持って、私の前に来た。

「あ、はい。飲めます」

「ん。じゃこれ飲んで帰れ」

カップに注がれた、温かいココア。

一口飲むと、甘い味が口いっぱいに広がる。

「美味しい…」

思わず口に出てた。

「知ってる。」

藤崎さんが少し笑った。

あ、この人。顔がすごい綺麗。

イケメンって言われて当然くらいの顔立ち。

「おまえ、名前は?」

「あ、中武優衣…です。」

「ん。覚えとく。藤崎恭介。」

「藤崎…恭介さん」

「さん付けと、敬語やめたら?堅苦しい」
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