恋して愛して
ふらふら歩いてるうちに、駅の方に来てしまった。
その間に、何人もの人と肩をぶつけた。
「なにやってるんだろ…私」
駅前の花壇に腰をかける。
下を向いたまま自分に呆れてる。
「わかんなかった…結局。なにも返せない…なにも、、」
目の前にはずっと私の二足の靴だけなはずなのに…
私とは違う、二足の靴が目の前に写ってる。
「こんなとこで、なにしてんの。もう暗いよ?」
え、…私?
「優衣ちゃん…泣いてるの?」
この声…最近耳にしたばっかり。
大翔君だよね。でも、大翔君に泣いてるって知られたくない。
私は首を横に振る。
「嘘。泣いてるじゃん」
大翔君は私の顔を確認しないでそう言って、
おまけに優しく私を抱きしめてた。
「泣いてもいいよ。俺がもう泣かせないから」
大翔君の腕の中でいっぱい泣いた。