恋して愛して


「俺この下も着てるよ?」

大翔くんは分厚い長袖を着ていた。

「え。あ、ほんとだ」

なに考えてんだろ、私。

急に顔が熱くなる。

「ブッ。ははっ、優衣ちゃん可愛いな」

私にトレーナーを着せながら大翔君が笑う。

「ありがとうございます。でも、これ私には大きい…」

そう言った時、恭介君とあった時のことを思い出した。

恭介君が着替えろって言った時も、勘違いして。

それで着替えたけど、サイズが大きすぎて。


「優衣ちゃん?ボーッとしてるけど、大丈夫?」

「あ、うん。それより、どこに行くの?」

「楽しいところ」


それだけしか教えてくれなかった。

でも着いてすぐわかった。

遊園地だった。


「じゃーん!一日無料パスカード」
「え!それ、どうしたの?」

「もらったの。しかも2枚!ラッキーじゃない?」

よかった。買ってたら、申し訳ないもん。


「最初は、やっぱりジェットコースター!優衣ちゃん乗れる?」

「うん。乗れるよ?」

「じゃ、行こ」
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