甘めな毒






「中島ってさ」
「んー?」
「ゲーム機持ってたりする?」



 いつも通りの放課後の教室。生徒達が続々と帰っていくなか、中島は今日も部活の準備を進めている。
 その横で机に頬杖をつきながら、何となくした質問に中島は「持ってるよ、いっぱいある」と、即答した。


「うそっ!」
「ほんと、俺の兄貴が好きで」
「へー初耳」
「いや、そりゃそうだろ、どこに好き好んで兄貴の話する弟がいるんだよ」
「探せばいるかもじゃん」
「残念ながら俺はそこまでブラコンじゃない」
「だろうね」
「なに?ゲームとか興味あるんだ?」
「まー最近ちょっとね」


 今までそんなにゲームには興味がなかったけれど、梶くんに教えて貰ったものはどれも面白くて結構ハマっている。
 でもバイトもしていないお小遣い生活をおくっている身としては、ゲーム機やソフトを買うのはかなり辛い。


「興味あるなら貸してやろうか?」
「え、いいの!?」
「うん、いいよ。俺あんまりゲームしないし」
「わーやった!」
「ちなみにどんなゲーム好きなの?」
「えーっとね」


 梶くんが持っていたゲームソフトのタイトルがお思い出せなくて簡単なゲーム内容を中島に伝えた。


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