最後の瞬間まで、きみと笑っていたいから。

なんか思ったのと違う……。

また、尻尾が見えたんだろうか。

尻尾ブンブンしてたんだろうか。

いーですよ、別に。本当のことだしね、フンッ!


「なんだよ、拗ねるなよ。お前は忠犬らしくニコニコしてればいいんだよ」


そして多賀宮くんは改めて私の手首を掴み、ゲートに向かった。


え、ちょっと、手……手!


多賀宮くんの手は、すごく大きくて。私の手首を軽々とつかんでしまう。

これは手を繋いで……いや、正確には引っ張られてるだけど、手を繋いだってことにカウントしてもいいよね。いや、ダメって言われてもそうしちゃうからね!


自分勝手かもしれないけど、多賀宮くんもニコニコしてろというから、そうさせてもらうことにした。



夕方の遊園地は昼間よりも涼しくて、乗り物もそれほど待たずに乗れた。

というか、疲れるのは嫌だと言っていた多賀宮くんのほうが、めちゃくちゃはしゃいで楽しんでいた。


とくにグルングルン2回転するジェットコースターをお気に召したようで、なんと続けて3回も乗った。

続けてだよ、続けて。
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