最後の瞬間まで、きみと笑っていたいから。
つくづく余韻とか、空気とか、無視する人みたいだ。
「勘違い……勘違い……? どういう意味だろう」
戸締りをして、部屋に戻りプラネタリウムを片付ける。
ふと、長い足を片方伸ばして、私の部屋でくつろぐ多賀宮くんの姿を思い出した。
ここに多賀宮くんが座っていたんだ。
もう彼はここにいないのに、彼の気配が残っている。
「あ……そっか」
唐突に、多賀宮くんが言ったことの意味がわかった。
ここはプラネタリウム室である前に私の部屋で、プライベートな空間に、彼と私でふたりきりになるからだ。
だから、親がいない時に来てって誘い方はなかったんだ。
彼の発言の意味がわかって、急に恥ずかしくなった。
「きゃーっ」と叫びながらベットに飛び込み、自分の軽率さに足をバタバタさせてしまった。
「そんなんじゃ、ないのにっ……!」
多賀宮くんはとっくにいなくなっているのに、そうじゃないと、言い訳のような独り言か口から飛び出る。
そんな女の子だって思われた?