最後の瞬間まで、きみと笑っていたいから。

というわけで、放課後、多賀宮くんとレンタルショップに行くことになった。


もっと早くいいお礼を考えておけばよかった……。


鞄に教科書を仕舞いながら、若干テンションを下げていた私だけど。そこではたと気付いた。


レンタルショップ……学校帰りにそのままふたりで出かけるってことだよね。


ふたりで教室を出て、街にいくってこと?

それって、それって……デート……みたいな。

いや、デートじゃないけど!

でもふたり……。しかも昼間……明るい時間だ。


予備校終わりに会うのとは全然違う。何がどう違うって、説明しづらいけど私には全然違う。


えっ、どうしよう。途端に緊張してきた。


ごくりと息を飲むと、前の席のタケルが、くるっと振り返った。


「アミカ、今日は予備校休みだろ? 俺とカナも部活休みなんだ。カラオケでもいかねぇか?」

「えっ?」


思わず変な声が出た。
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