最後の瞬間まで、きみと笑っていたいから。

【へーっ、そうだったんだ! でもビックリしちゃった。アミカ、彼のことが好きなんだね】


さらっと言われたけど、カナだもん。わかって当然だと思った。


「うん」

【そっか。タケルなんかめっちゃ凹むだろうな。あいつ、アミカのこと保護者目線で見てるとこあるから】

「そんなに私、頼りないかなぁ?」

【子供の頃の感覚が抜けてないだけだと思うけどね? ほら、小学校3年生の時、アミカにお父さんがいないことからかわれたりしたじゃん。アミカが泣いて、タケルがめちゃくちゃ怒って、からかった男子と大げんかして】

「うん……」

【先生にはすごく怒られたけど、でも、ちょっとカッコいいってあたしは思ったんだけどね】

「そういうの、ちゃんと言ったらいいのに」

【……へっ?】

「カナはもっと素直になるべきだと思うよ」


恋愛に疎い私だって、そのくらいのことはわかる。っていうかずっと言わなかったけど、小学校の時から、そうなんたろうなぁと思っていた。

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