Princess
そ、そうやりますか…!

心臓がドキドキと早鐘を打ち始めた。

この音が手を通じて修哉さんに聞こえてしまったらどうすればいいのだろう?

「しゅ、修哉さん、早くイルミネーションに…」

そう考えたら恥ずかしく、あたしは修哉さんを急かした。

「ああ、そうだね」

修哉さんは挟んでいたもう片方の手を離すと、あたしの手を引いた。

あたしは修哉さんに手を引かれるまま、その場から離れた。

寒かったことなんてすっかり忘れてしまった。

と言うか、修哉さんのせいで寒さなんて吹っ飛んでしまった。

修哉さんは、一体何を企んでいるのだろう?

そう思っているあたしに、修哉さんは気づいているのだろうか?
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