Princess
ようやく呼吸が落ち着くと、
「――あの…これからどこに行くんですか?」

あたしは修哉さんに聞いた。

「あー、そうだな…」

修哉さんは困ったように腕を組むと、考え始めた。

そりゃ、そうか。

大急ぎで荷物をまとめて、何も考えずに家を飛び出した訳だもんね…。

「とりあえず、終点まで行ってみるか…」

呟くようにそう言った修哉さんに、
「そうですね…」

あたしも呟くように答えた。

空いている座席に並んで腰を下ろすと、あたしたちは息を吐いた。

「終点についたら、どこか泊まるところを探して…」

修哉さんが呟いた瞬間、グーッとお腹が鳴った。
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