Princess
「――ええ、はい」

ぼんやりと、どこからか声が聞こえる。

「ええ、そう言うことです」

修哉さん、テレビでも見ているのかな?

まあ、どうでもいいか…。

そう思っていたら、大きな手があたしの頭をなでてきた。

ああ、何だか気持ちいいな…。

「――もう少し、だな…」

修哉さんがそんなことを呟いた。

えっ、何が?

何がもう少し、なの?

「つらいかも知れないけど、もう少しだからね?」

だから、何がなの?

そう聞きたかったけど、意識は眠りの世界に突入していた。
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