Princess
自分の格好に視線を向けると、パジャマ姿だった。

確か、ホテルに置いてあった浴衣を着て寝たはずだったんだけど…。

「もういつまで寝てるのよ。

早く起きなさい」

お母さんがそう言いながら部屋のカーテンを開けた。

部屋にまぶしい太陽の光が差し込んできた。

「お母さん、あたし…あたし、ホテルにいたんじゃ…?」

「あら、夢でも見たの?

早く着替えて、朝ご飯を食べなさい」

あたしの話をさえぎるように、お母さんはニコッと笑うと部屋から立ち去った。

何があったと言うのだろうか?

と言うか、修哉さんは?

机のうえに置いてあったスマートフォンに手を伸ばして、電話帳のアプリを起動させた。
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