Princess
当然だけど、昨日から一緒に暮らすことになった相手・修哉さんはどこにもいなかった。

そりゃ、そうだ。

修哉さんは仕事があるんだから、会社へ行ってしまったに決まってる。

ふとテーブルのうえに視線を向けると、2個のおにぎりと伏せられているお椀があることに気づいた。

その下には1枚の紙があった。

「何かしら?」

そう思いながら紙を取り出すと、修哉さんの字で書かれた手紙だった。

『会社に行ってきます

鍋の中にみそ汁があるので温めて食べてください』

どうやら、あたしのために朝ご飯を用意してくれたようだ。
< 22 / 150 >

この作品をシェア

pagetop