Princess
「うん、美味しい!」

我ながら上手にできあがったカルボナーラに舌鼓を打ちながら、フォークにパスタを巻きつけた。

食費として渡された1万円は使わないと言う結果になってしまったけれど、謝って返せば許してくれることだろう。

そう思っていたら、
「ただいまー」

修哉さんが帰ってきた。

壁にかけてある時計に視線を向けると、夜の7時を過ぎたばかりだった。

残業になるかも知れないと手紙に書いてあったから、てっきり9時か10時を過ぎてから帰ってくるのではないかと思っていた。

「あっ、お帰りなさい…」

あたしはフォークを置いた。
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