Princess
今日も修哉さんはいないから手抜きでいいか。

冷蔵庫の中身を簡単に確認すると、買い物に行くために家を出た。

実家にいた頃は家族と一緒に食べることが当たり前だったからよくわからなかったけど、1人で食べるご飯ってこんなにも寂しいんだな。

よし、実家に帰ろう…って、
「ダメダメダメ!」

首を横に振って否定したのと同時に、自分が今いる場所に気づいた。

周りにいる人たちが何事かと言うようにあたしを見ている。

「何か、問題がありましたか…?」

帽子にエプロンを身につけた店員さんが不思議そうな顔で声をかけてきた。

あたしが今いる場所は、スーパーマーケットである。

「す、すみません…。

大丈夫です…」

あたしは呟くように答えると、その場から立ち去った。
< 36 / 150 >

この作品をシェア

pagetop