Princess
「さて…」

修哉さんは壁にかけてある時計に視線を向けると、
「ヤベ、もうこんな時間だ」

慌てたように椅子から腰をあげた。

あたしも視線を向けると、時間は12時を過ぎたところだった。

「何か食べますか?」

シャツのボタンを外している修哉さんにあたしは声をかけた。

「食べてきたからいいよ」

修哉さんはフッと笑いながら答えた。

「毎日残業が続いているみたいですけど、大丈夫ですか?」

そう聞いたあたしに、
「サラリーマンって言うものはそんなものだよ」

修哉さんが答えた。
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