Princess
タータンチェックのシャツにブラックジーンズ、そのうえからグレーのパーカーを羽織っていた。

私服姿を見つめているあたしに、
「どうかした?

何かついてる?」

修哉さんが訳がわからないとでも言うように、声をかけてきた。

「い、いえ、何でもないです…」

あたしは首を横に振ると、スニーカーを履いた。

「えっと…じゃあ、行きましょうか?」

そう言ったあたしに、
「うん、行こう」

修哉さんは首を縦に振ってうなずくと、ドアを開けた。

今日はとても温かい陽気だった。

最近は寒い日が続いていたから、どこかへ出かけるにはうってつけの天候だ。
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