Princess
雲1つない高くなった青空を見つめていたら、
「ほのかちゃん」

修哉さんに名前を呼ばれたかと思ったら、手を差し出してきた。

「えっ、あの…」

手の意味がわからずに戸惑っていたら、
「迷子になるといけないから」

修哉さんが言った。

「ま、迷子って…」

遊園地の中ならわかるけれども、家を出たところから手を繋ぐの?

まあいいかと思いながら、特に断る理由はなかったので、あたしは修哉さんと手を繋いだ。

手を繋いだ状態で、あたしたちは駅の方へと足を向かわせたのだった。
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