Princess
「うわーっ…」

最寄り駅に到着したのと同時に見えたのは、観覧車だった。

「久しぶりにきたな」

修哉さんは呟いた。

「あたしも最後に遊園地にきたのは小学生の時です」

そう答えたあたしに、
「ああ、そうなんだ。

でも大人になってからまたくるとは思っても見なかったな」

修哉さんはヘヘッと八重歯を見せて笑った。

それがイタズラっ子のようにかわいくて、あたしの心臓がドキッ…と鳴ったのがわかった。

「今日は子供になったつもりで、思いっきり楽しみますか!」

そう言って修哉さんが両手をあげたら、繋いでいたあたしの手もあがった。

「しゅ、修哉さん!」

あたしの手もあがっていますよ!

「ああ、ごめんごめん。

ほのかちゃんと手を繋いでることを忘れてた」

修哉さんは謝ると、慌てたように両手を下ろした。
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