Princess
チケットを渡して園内へと入ると、
「何に乗ろうかな?」

修哉さんはキョロキョロと周りを見回した。

宣言通り、本当に子供になったつもりで楽しむようだ。

「ほのかちゃん、何か乗りたいものある?」

そう聞いてきた修哉さんに、
「じゃあ…」

あたしは最初に視界に入ったものを指差した。

修哉さんはあたしの指の先にあったものに視線を向けると、
「あー、はいはい…」

うんうんと、首を縦に振ってうなずいた。

ゴーッと鳴っている機械音と同時に、きゃーっと叫んでいる悲鳴が園内に響いている。

あたしが指差したアトラクションはジェットコースターだ。
< 60 / 150 >

この作品をシェア

pagetop