Princess
「…ほのかちゃん、大丈夫?」

「大丈夫です、はい…」

ベンチに座っているあたしの顔は、ものすごく青いだろう。

最近の絶叫系ってすごいね。

地上から何メートルか離れたところから急落下した後、グルグルと何回転もするんですね。

終わった頃にはすっかりと気持ち悪くなっていました。

絶叫系は平気だと思っていましたが、ものすごくなめていました。

「――ううっ…」

ヤバい、吐き気がする…。

「ほのかちゃん」

あたしの前にハンカチが差し出された。

それを受け取ると、あたしは口元に当てた。

フワリと、紺色のハンカチから修哉さんの匂いがした。

そのせいか少しだけ…本当に少しだけだけど、吐き気が落ち着いたような気がした。
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