Princess
彼らからはチャラそうな雰囲気が出ている。

「いや、1人ではないです…」

口元をハンカチで隠しているせいで、呟いているような答え方になってしまった。

「えーっ、絶対1人でしょー?

もしかして、彼氏に振られちゃったとか?」

片方が笑いながら言ったので、
「おいおい、かわいそうなことを言うなよ」

注意をするように言ったもう片方だけど、顔は笑っている。

「だから、1人では…」

「いいじゃん、俺たちと一緒に遊ぼうよ」

そう言われたのと同時に、彼の手があたしの手首をつかんだ。

「俺の彼女に何か用事ですか?」

その声に視線を向けると、缶ジュースを持っている修哉さんがいた。
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