Princess
「今日は何?」

スーツ姿の修哉さんがキッチンに顔を出した。

「今日はポトフにしました」

そう言ったあたしに、
「おっ、美味そうだな」

修哉さんが鍋を覗き込んできた。

うわっ、ち、近い…!

そろそろ…と、あたしは修哉さんから離れた。

今のは鍋の中を見ようとしたから、あたしは特に関係ないっつーの。

危うくドキドキと早鐘を打ちそうになった心臓に、あたしは言い聞かせるように心の中で呟いた。

と言うか、修哉さんも修哉さんで何をしてくれるんですか…。
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