Princess
えーっと、まずは茶碗から…。

食器棚にある茶碗に手を伸ばそうとしたら、クスッと修哉さんに笑われた。

「な、何ですか…?」

と言うか、何で笑われたんですか?

修哉さんが笑うようなことをあたしは何もしていないはずだ。

そう思っていたら、
「何かかわいいなって思ってさ」

修哉さんが笑いながら、そんなことを言った。

「か…!?」

かわいい、ですか!?

あたしの聞き間違いじゃなかったら、修哉さんの口から“かわいい”と言う言葉が出てきたはずだ。

「何と言うか…若奥さんって言う感じがして、とてもいいなって思って」

修哉さんはさらにそんなことを言った。
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