Princess
「いや、特に変わったことはないけど」

修哉さんは首を横に振って、あたしの質問に答えた。

悪いものを食べたと言う訳ではなさそうだ。

そのことにあたしはホッと胸をなで下ろすと、食器棚から茶碗を取り出した。

「手伝うよ」

修哉さんがそう言って、あたしの手から茶碗を奪った。

「――ッ…!?」

同時に触れた彼の手に、あたしの心臓がドキッ…と鳴った。

茶碗を奪った修哉さんはと言うと、テーブルのうえに茶碗を置いた。

ヤバい…。

今のはヤバ過ぎるでしょ…。

不意打ちにも程があるでしょ…。
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