Princess
ドキドキと早鐘を打っている心臓に、あたしはどう対応すればいいのかわからない。

「次はどうすればいい?」

戸惑っているあたしに、修哉さんが声をかけてきた。

「――あ、後は、あたしがやります…!」

やっとのことで、あたしは声を出すことができた。

「そう」

修哉さんは返事をすると、椅子に腰を下ろした。

彼が椅子に座ったことを確認すると、食器棚からスープ皿を取り出した。

そこにできたばかりのポトフを入れると、それまで早鐘を打っていた心臓が落ち着いてきた。

もう心臓に悪過ぎるよ…。

早死にしたくないよ、もう…。
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